ピジョンの23年度決算と24年度予想について

2024/2/15、ピジョンの23年度本決算が開示されました。今回はこの内容をわかりやすく整理し解説していきたいと思います。

目次

23年度の結果は減収減益も配当維持

前年比

売上高  99.5%
営業利益 87.9%
純利益  86.5%

配当金は変わらず76円で、配当性向は122.6%に。ですがキャッシュフローで見るとほぼ変わらず。むしろ期末残高はプラスになっています。どういうこったい。

配当金が純利益を食いつぶしている場合、純資産が減る、倒産が近づく、新たな投資をひねり出せずに借金を…と考えてしまいます。が、この企業に関しては別として考えてOKでしょう。財務は抜群です。

事業別にみると…

ピジョンは4つの事業からなっています。

4つの事業のおさらい

4つの事業
  • 日本事業
  • 中国事業
  • シンガポール事業
  • ランシノ事業

これいつも名前どうにかせいと思うんですよね。
②は中韓露+フィリピンです。
③は東南アジア+中東+オセアニアです。
④は買収した国外ブランド「ランシノ」です。なので間違ってはいないんですが、他が地名なのであわせればいいよねと…。

ざっくり言うと、大体①②が各350億円くらい、③④が各150億円くらいの売上規模ですね。この中で最も利益率が良いのが中国なので、中国がメインという構図です。

しかし中国は本当のコロナ以降、次々と問題が起きているので、中国事業を回復させることも大事な一方、着実に他を成長させねば…というのが目下のピジョンの課題です。

今回は4事業で明暗が分かれた印象

日本事業とランシノ事業は増収増益。中国事業とシンガポール事業は減収減益でした。

日本事業は二回の値上げを行い利益率を改善。売上高も+4%で伸長しました。ランシノ事業は北米が市場激化+特需反動で前年割れも、欧州がそれを吸収する形で増収増益。特に産前・産後ケア商品が前年比+70%伸長なので順調成長でしょう。

一方で中国は処理水ですね~~~。上海ロックダウンからようやく明けたかと思いきや不買運動です。そしてシンガポールは流通在庫のダブつきが要因となって減収減益でした。

しかし先は明るいんじゃないか説

ニュースなんてのはやがてみな忘れていくものなので、処理水に伴う不買運動も段々と薄まってくるかなと。これはあくまで楽観的な見通しですが。またシンガポール事業に関しては、来期1Q末までに在庫正常化ということなので、これは改善待ったなしでしょう。二桁成長とも言っています。

となれば基本的に今回4Qまたは来期1Qが業績の底となる可能性も高いのかなと。ちなみに来期予想はこちら。

ちょっと中国に夢見すぎな気もする…。

8期中期経営計画の進捗について

中計と見合わせてみても、2023年度を底としてゆるやかなV字回復を掲げています。

少なくとも日本事業・ランシノ事業は想定通りと言っているので、確度は高いのでしょう。中国は国民感情が絡んでいるところがあるので読めないですが、シンガポール事業は在庫の数の話なので確度は高いはず。

ということで想定外要因を除けば計画立案の精度はなかなか良いのでは、と見ています。

ほかにも好材料が少しばかり

①日本事業の予想が保守的

まず2024年度予想ですが、好調な日本事業において、「インバウンド売上はゼロ計画」とあります。

これは相当に保守的に見ているのではないかなと。インバウンド=訪日外国人による購入です。訪日客は日に日に増えていることを感じていますので。

②設備投資額が縮小

そして2点目が投資ですね。研究開発は例年通りの規模感ですが、設備投資が例年の半分です。ここは毎年色々設備を増やしているのですが、かなり整ってきたという見方もできるかなと。

③配当性向100%超えなのに増える資産

また3点目は期末残高です。冒頭増えましたが、配当性向100%超えであるにもかかわらず、資産が増えているんですね。なのでこの体制であれば来期の減配もないと思います。

ということで…

私個人としては引き続き投資していきます。

ただ難しいのは、大きく株価があがるのはまだまだ先になりそうということ。今や日本株への資金流入は目覚ましく、長々と待っているよりほかに資金を回すほうが得策でしょう。場面的になんとも難しいですね。

しかしゆっくり待つだけ、応援するだけの価値があるとも思います。

私はピジョンのこの存在意義が大好きです。

なので分析に認知バイアスかかりまくりだとは思うんですが笑

ただ投資で自分のお金を増やすだけでなく、私たちのこども、そしてこれから生まれてくるこどもたちにより良い世界を残すためにも、ピジョンには成長してほしいと心から思っています。

ということで私は引き続きピジョンを応援し続けます!

本記事はこれら銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断は自己責任にてお願い致します。

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