損益通算とは?
利益と損失を相殺する制度。損した額と同額の利益を非課税化してくれる。
株式取引においては、特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば自動的に処理をしてくれる。
損益通算の具体例
利益の種類(譲渡益・配当金)によって損益通算が自動処理されるタイミングは異なる。
譲渡益の場合
譲渡益は取引ごとに損益通算が行われる。つまりリアルタイム。
1.先に利益、後から損が出た場合
- 取得価格:100万円
- 売却価格:110万円
- 利益:10万円
- 税金:約2万円
まず利確で+10万円。このうち約2万が税金で取られ、実際には手元に約8万がくる。
- 取得価格:100万円
- 売却価格:90万円
- 利益:-10万円
- 税金:なし
次に損切りで-10万円。前に利確があることでこの行為が損出しになる。
- 通算利益:0万円
- 還付される税金:約2万円
利確の10万、損切りの10万。通算すると利益は全く出ていないことになる。ので、税金とっちゃダメだね、ってことで約2万は還付される。
2.先に損、後から利益が出た場合
- 取得価格:100万円
- 売却価格:90万円
- 利益:-10万円
- 税金:なし
まず損切りで-10万円。この時点ではただの損切りになっている。
- 取得価格:100万円
- 売却価格:110万円
- 利益:10万円
- 税金:なし(本来は約2万円)
次に利確で+10万円。本来ならここで税金が約2万円発生するが、先に損切りがあるために発生しない。そのまま全額が手元に入る。
配当金の場合
配当金の場合、損益通算は年末に一括で行われる。譲渡益と異なり、リアルタイムではない。還付は翌年の初日、大発会の日に行われる。
- 取得価格:100万円
- 売却価格:90万円
- 利益:-10万円
- 税金:なし
まず損切りで-10万円。この時点ではただの損切りになっている。
- 取得価格:250万円
- 配当利回り:4%
- 配当金:10万円
- 税金:約2万円
次に配当金で+10万円。このうち約2万が税金で取られ、実際には手元に約8万がくる。
- 通算利益:0万円
- 還付される税金:約2万円
配当金の10万、損切りの10万。通算すると利益は全く出ていないことになる。ので、税金とっちゃダメだね、ってことで約2万は還付される。
損益通算の適用範囲は?
事前申請は不要だが、適用範囲がある。確定申告なしが最も適用範囲が狭く、確定申告をすることにより範囲が拡大する。
①確定申告の有無によらない共通範囲
- 同一証券会社の取引であること
- 特定口座の取引であること
- 同年中の取引であること
②確定申告をした場合の追加適用範囲
- 複数証券会社の取引を対象にできる
- 一般口座も対象にできる
- 損が上回る場合、3年先まで持ち越しできる
③確定申告で「申告分離課税」を選んだ場合の追加適用範囲
- 配当金も対象にできる
あの…NISA口座は…?
NISA口座はダメ。 元々非課税なので…。
まとめ①損益通算の適用範囲
①譲渡益
証券会社 | 証券口座 | 確定申告なし | 総合課税 | 申告分離課税 |
---|---|---|---|---|
同一 | 特定 | |||
一般 | ||||
違う | 特定 | |||
一般 |
譲渡益は取引時にリアルタイムで損益通算が行われる。
②配当金・分配金
国 | 種類 | 確定申告なし | 総合課税 | 申告分離課税 |
---|---|---|---|---|
国内 | 上場株式 | |||
投資信託 | ||||
海外 | 上場株式 | |||
ETF |
配当金・分配金は受領時にリアルタイムではなく、年末に一括で損益通算が行われる。(払い込みは大発会の日)
まとめ②損益通算が行われるタイミング
- 譲渡益は取引時
- 配当金・分配金は年末一括
- 翌年3月の確定申告で再計算
①②は自動的に行われるし、③はする・しないの自由がある。ただし①②の適用範囲は限定的なので注意が必要。