SCHD連動の投資信託が発売に
9月の楽天版SCHDに続き、12月にSBI版SCHDの発売が決定。
そもそも〇〇連動の投資信託ってどういうこと?
米国販売中のETFを日本の金融機関が購入・運用してくれる仕組みだ。なのでETFを直接買うほうがトータルコストは安くすむ。なのだがSCHDは日本からは購入できないから話題になっているわけだ。詳しくは後述する。
ひとまず基本的な理解として、投資信託とETFの違いを簡単に説明すると…
比較項目 | 投資信託 | ETF |
---|---|---|
上場 | 非上場 | 上場 |
購入通貨 | 円 | 現地通貨(ex.ドル) |
売買形式 | 1日1回 | リアルタイム取引 |
指値注文 | できない | できる |
注文形式 | 金額or口数指定 | 口数指定 |
最低購入金額 | 100円 | 1口 |
売買手数料 | なしが多い | ありが多い |
信託報酬 | ETFより高い | 投信より低い |
分配金自動再投資 | できる | できない |
まぁこんな違いは大したことはない!やってみればわかるレベルだし、悩む必要はない。
SCHDとは?
- ティッカーシンボル:SCHD
- Schwab U.S. Dividend Equity ETF
- 日本語訳:シュワブ・米国配当株式ETF
アメリカの金融大手「チャールズ・シュワブ」が発行しているETFだ。このチャールズ・シュワブはネット証券事業を中核とした金融サービス企業。シュワブは個人投資家向けサービスに強く、ネット証券分野のリーダー的存在だ。非常に評価が高く各表彰を総ナメ状態なのだ。
U.S. News Money Award 2024
- 最優秀投資プラットフォーム総合
- 最優秀株式投資プラットフォーム
- 最優秀オプション取引プラットフォーム
- 最優秀外国為替取引プラットフォーム
J.D.Power 2024
- 退職プラン部門1位
- 銀行サービス部門1位
- 事故管理型投資部門1-2位
なんでSCHDが話題なの?
- 実質的にSCHDに投資可能になった
- 安定した配当利回り
- 優れた増配率
- 優れた株価成長
- 優れた構成銘柄要件
- 低コスト
- NISA成長枠投資で購入できる
①実質的にSCHDに投資可能になった
実はSCHDは日本での届け出がされていない。そのため日本国内の証券会社ではSCHDを購入できなかったのだ。今回、楽天証券・SBI証券でこれに連動した投資信託が発売されることになった。
これらの投資信託を通じて、実質的にSCHDに投資することが可能になったというわけだ。もちろん話題になるくらいだから性能がすごい。じゃあ性能の話をしよう。
②安定した配当利回り
SCHDは安定した高配当利回りを提供している。2014年が初配当だが、4回のうち1回だったため割愛している。2015年の以来の平均配当利回りは3.04%だ。
③優れた増配率
もちろん配当利回りだけを見れば平凡に感じてしまうところなのだが、素晴らしいのは増配率だ。平均11.34%、中央10.41%、9年間の平均成長率9.92%と安定した増配を維持していることがわかる。平均増配率が10%を超えていることは投資家にとって大きな魅力。
④優れた株価成長
また株価も長期的に見て安定した成長を示している。平均14.70%、中央12.83%、13年間の年平均成長率12.05%と安定して成長している。S&P500こここ10年の年平均成長率10%強と良い勝負なのだ。
一方でどんな商品もそうだがマイナスになる年はある。SCHDも15年、18年、22年にはマイナス成長を記録している点は留意が必要だ。毎年必ず上がる!と思っているとメンタルがやられるため、こういうマイナスもあらかじめ受け入れておくといい。
⑤優れた構成銘柄要件
SCHDは「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」という指数との連動を目指している。目指しているといったのは、指数そのものを買い付けている訳ではなく、指数を構成する銘柄を買い付けることで、指数のパフォーマンスに近づけようとしているからだ。
ただ指数とSCHDでは多少構成要件が異なる。ここではSCHDの構成要件を紹介するぞ。
- 連続増配10年以上
- 時価総額5億ドル以上
- 日時取引量200万ドル以上
- 配当利回り上位50%を選出
- 総負債に対するFCF比率
- 自己資本利益率(ROE)
- 配当利回り
- 配当成長率(過去5年)
- ランク上位100銘柄を選出
追加要件
- 一つの銘柄の構成割合は4%まで
- 一つのセクターの構成割合は25%まで
- この評価・入替は4半期ごとに行う
データ引用元
なお作成に当たってはチャールズ・シュワブの公式サイトとYahoo!ファイナンスをあたっている。
SCHDの配当推移
https://www.schwabassetmanagement.com/products/schd
Distributionのところから見れるぞ。
SCHDの株価推移
https://au.finance.yahoo.com/quote/SCHD/history
年末株価はシュワブ公式になかったのでね。
まとめ
つまり、財務優秀な連続増配銘柄を利回り高い順100社で作ったぜ!っていう夢てんこもりポートフォリオなのだ。
特に今まで米国高配当ETF御三家と言われてきたSPYD、HDV、VYMより成績が良いといわれているところも特筆すべきポイントだ。このあたりはまた後日気が向いたら…。
ということで、年10%の株価成長+配当成長ポートフォリオ+財務健全というポートフォリオは十分に魅力的だ。S&P500連動のインデックス投資も良いが、インデックスの場合は配当がなく自身で切り崩す必要がある。こちらは切り崩さずとも配当が出る。
投資戦略の一つに組み込む価値が十分にある投資信託だ。