小野薬品工業の下落が止まらない
先週末、ついに1700円を割ってしまった小野薬品工業。累進配当宣言を導入しており堅実の製薬メーカーのイメージだが、主力製品であるがん治療薬オプジーボの特許切れによる売上減少を見込んで株価の下落が止まらない状況だ。
オプジーボの特許切れが与える影響は?
まずオプジーボは9月で発売から10年が経過し、売上は5000億円、関連収入が全体の6割を占めている。そして特許切れは28年から31年まで段階的に各国で発生するのだが、最終の31年には特許切れ、後発薬との競合により年間約1400億円以上の減収が見込まれている。
またロイヤルティー収入は24年から段階的に減少していくため、31年に一気に…ではなく、すでに影響は出ており、徐々にその影響が拡大していく、という状態だ。
このオプジーボを穴埋めし新たな成長をするには新たな収益源が5-6つは必要と相良会長はコメントしている。
と言っても私は製薬には詳しくないので、今回は利回りを中心にデータ開示だけ行っていくぞ。
小野薬品工業の基本ステータス
2024/12/13終値時点のステータスは以下の通り。
株価 | 1,681 |
---|---|
配当 | 80 |
利回り | 4.75% |
優待 | なし |
PER | 13.61倍 |
PBR | 1.01倍 |
小野薬品工業のスクリーニング分析
売上、EPS伸長
2024年までは本当に順調だったことが伺える。恐ろしいのは25年の利益減。営業利益は-48%、EPSは-53%の123円見込みだ。
配当推移、配当方針
配当は累進配当を打ち出し、配当性向は40%目標だ。しかし連続増配は今期で止まってしまっている。
ここまでは4期連続増配で調子が良く、配当性向も30%へ徐々に下がってきており、増配以上に利益が伸長してきたことが伺い知れる。今後売上の大幅減収を考えると、今後の増配は売上伸長策が盤石になるまでは難しいだろう。
過去最大利回り
過去最大利回りは現在が最大だ。過去3年ずっと上がり続けている。
もちろんこれは増配による影響もあるが、株価下落によるところが大きい。
まとめ
ということで、ここに投資をするなら、今後の投資活動について大きく掘り下げる必要がある。目先の株価・利回りだけを見て投資するのはよろしくない。それはこの銘柄に限らず、どの銘柄でもそうだ。
過去最大の利回り、累進配当宣言は魅力的。だけど今後の増配次第ではほかに選択肢もある状況だ。現状は利回り5%付近に優秀な銘柄も散見される。
ということで小野薬品工業の状況をもう少し紐解く必要があるが、それはまたいつか。